外壁塗料・水谷ペイント製「ユーロテックス」
こんにちは、菅井です。
Webの塗装系ポータルサイト等の塗料解説ではあまり紹介されない商品を、このブログではご紹介いたします。
今回は、水谷ペイント製・「ユーロテックス」。
外壁塗装用の水性塗料です。
特徴は、以下の2つ。
- 撥水性と透湿性
- 変色しにくい、ハイラジカル制御技術
つまり汚れに強く、紫外線に強い塗膜となります。
「ユーロテックス」は、無機塗料ですか?
違います。
シリコーンレジンエマルション塗料です。
実はこの塗料の技術は、ドイツの技術と日本(水谷ペイント)の技術のハイブリッドなのです。
シリコーンレジンエマルションはドイツ、ヨーロッパではポピュラーな技術だそうです。
シリコン自体は、純度を上げると半導体になりますし、古くから耐熱塗料として使用されております。
外壁用塗料としてシリコンを高密度に仕上げることで、3次元撥水構造を持つことができたそうです。
また、水谷ペイントが持つハイラジカル制御技術は、まさに日本独自の紫外線劣化制御技術です。
日本の一般的外壁や屋根用のシリコン樹脂塗料は、シリコンとアクリル樹脂の共重合です。
基本はアクリル樹脂をベースに製造されております。
そういった意味では、シリコンベースの外壁用塗料は日本では画期的です。
経済的な事情、性能的な事情で樹脂配合の割合が変わってくることが、日本の製造メーカーではよくあることです。
樹脂性能表でも、一番上がフッ素樹脂で最下位はアクリル樹脂となっていることが多いですが、実はアクリル樹脂も、純度を上げると耐候性が上がります。
日本では珍しい塗料だと思われますが、ユーロとジャパンのいいとこ取りの「ユーロテックス」、今後も注目していきたいですね。
【追記】
水谷ペイントさんは、今年の5月に研究開発部門を完全子会社として独立させました。
ラボを独立させたケースは、あまり見掛けませんね。
それだけに、メーカーとして研究開発にかける熱意を感じます。