1級FP技能士・佐藤育子先生の大事なお金のお話(住まい編)3

お金とお家
前々回よりお送りしている、独立系 1級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士 佐藤育子先生(⇒プロフィール)による、『大事なお金のお話(住まい編)』(全3回)。
今回はいよいよ第3回、最終回になります。(菅井)

(⇒第2回はこちら)

 

 

第3回 リフォームで住宅の資産価値を高めるには?

〜「住まい」を「資産」として育てるメンテナンスのすすめ〜

 

住宅を長く快適に使い続けるため、そして将来の売却や相続を見据えたとき、「リフォームによる資産価値の向上」は非常に重要なテーマです。
今回は、住宅リフォームがどのように資産価値を高めるのか、押さえておきたいポイントと注意点を解説します。

 

①外観や耐久性の改善で「見た目+安全性」がアップ

外壁や屋根の塗装・補修は、見た目の印象を良くするだけでなく、雨風や紫外線から家を守るための重要な工事です。こうしたメンテナンスを怠ると建物の劣化が進み、資産価値が下がってしまいます。逆に定期的な手入れがされている住宅は「適切に管理された住宅」として評価されやすくなります。

②省エネ性・機能性の向上で価値アップ

断熱窓への交換、高効率な給湯器、太陽光発電やLED照明の導入など、エネルギー効率を高めるリフォームは、光熱費の削減だけでなく、建物評価の向上にもつながります。
近年では「長期優良住宅」や「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」といった認定制度もあり、こうした基準を満たすような改修は、住宅の価値を大きく底上げする手段になり得ます。

美しい住宅と太陽の輝き

③バリアフリーや水回りの刷新で住みやすさ向上

高齢化社会を見据えたバリアフリー対応(段差解消、手すり設置など)や、水回り(トイレ・浴室・キッチン)のリフォームは、住みやすさや安全性を高め、買い手や借り手にとっての魅力を増します。
特に二世帯住宅や高齢者向け住宅への対応は、将来的な需要を見据えた「攻めのリフォーム」と言えるでしょう。

④資産評価の改善につながる履歴管理

実は査定時に重要視されるのが、「住宅がどのように管理されてきたか」という記録です。
修繕やリフォームの履歴(業者名・工事明細・保証書など)が整理されていると、不動産業者や査定士の印象も良くなり、評価がプラスに働くことがあります。

 

注意したい「リフォームと資産価値」のバランス

ただし、どんなリフォームも資産価値アップにつながるとは限りません。たとえば趣味性の高い内装(派手な壁紙や特殊な間取り)は評価に反映されにくいことも。

また、中古住宅市場では「立地」や「築年数」が重視される傾向があるため、リフォームにかける費用と将来的なリターンのバランスを考えることが大切です。

住宅は時間とともに劣化する消耗品…と思われがちですが、実は適切な手入れをすることで、資産としての価値を維持・向上させることができます。

リフォームは消費ではなく、将来の自分や家族、さらには次世代のための「戦略的な投資」と捉えて、計画的に進めていきましょう。

 

 

【佐藤 育子 先生のプロフィール】

独立系ファイナンシャルプランナー(FP)、行政書士、社労士の三刀流としてご活躍中。
FPとしては保険会社に所属せず、独立した立場でマネーアドバイスを行っていらっしゃいます。

震災を機に「知識でだれかの役に立ちたい」と知識ゼロから法律を学び、平成27年・行政書士、令和4年・社会保険労務士、令和6年・1級ファイナンシャル・プランニング技能士等の資格を取得。
行政書士法人勤務を経て、令和6年末に行政書士・社会保険労務士事務所むつみ開業。
建設業、産業廃棄物収集運搬業等の許認可業務のほか相続、成年後見業務。

 

この記事を書いた人

菅井さん

菅井 清浩

株式会社オイカワ美装工業 相談役。環境事業部部長として、「ecoto(エコト)」ブランドをプロデュースしています。地元でも話題の肌にやさしい除菌水「ホットスプリングパワー」の販売にも尽力し、通販サイト(BASE)の運営管理も担当。

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